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令和7年度高校受験の総括~入試分析~
3月7日(土)の「山形県公立高校後期(一般)選抜」が無事終わり、当教室の生徒たちの受験もいったん今年度は終了となりました。
さて、本年度の山形県公立高校入試について、分析を交えて少しお話をしたいと思います。
なお、入試問題の掲載は本ページではいたしません。入試問題は教室にございますので興味がある方はぜひお尋ねください。
※あくまでも塾長個人の分析・見解です。ご指摘、ご質問は塾長個人にお願いします💦
【国語】難易度:例年通り
〈第1問〉小説文(文学的文章)
〈第2問〉論説文(説明的文章)
〈第3問〉古文(古典文学)
〈第4問〉漢字書き取り、発表の仕方
〈第5問〉課題作文(240字以内)
全体的な出題の配列や文章量などは例年通り。第1問の小説文は高校生が主人公の身近に感じられる内容であったことで、受検生には読みやすい文であったと思う。ただし、「ばつが悪い」「(解答の)配慮」や比喩表現などの問いが続いていることで、日ごろから慣用的な言い方やたとえ表現、教科書に出てくるレベルの語を使いこなす習慣が試験で問われている印象を受ける。第2問の論説文は難しい語句や哲学が引用されたりしている文章であることで、内容的にはやや読みにくい問題だったかもしれない。ただし、説明的文章を解くときの基本的な読みとり方である「(対立する)二項の関係を読みとりながら進める」ということに慣れているならば、ある程度は対応できるレベルの問題ではある。第3問の古文も標準的なレベルの問題であるため、古文の問題にどの程度慣れているか、というこが受験生としての分かれ目であると思われる。第4問は「発表の仕方」という最近の国語で求められているプレゼン力などの表現に関する出題である。資料の提示の仕方や意図、発表の工夫などを意識して捉えることができるか、という点を出題しているが、こちらも国語の授業で培われる力というよりは日常的な会話の仕方やコミュニケーションの仕方などを根底に求められる設問であると捉えている。第5問の課題作文は予想通りグラフ等の資料を読み取っての意見作文である。このパターンは一番対策しやすいかと思い、受験生たちにとっては決して難しいテーマではなかったのではないかと考える。
【数学】難易度:難化
〈第1問〉計算問題、確率、自然数の性質、箱ひげ図の読取
〈第2問〉関数とグラフ、立体の体積(説明)、方程式を利用する文章問題、作図
〈第3問〉関数の利用(総合問題)
〈第4問〉図形の利用(総合問題)
出題問題の配列や量などは例年通り。第1問の確率、自然数の性質(数列の和)および箱ひげ図の分析については、一つひとつを丁寧に考えて解いていけば解けなくはないレベルの内容だが、残りの問題への時間配分を考えると序盤としてはややしんどい問題かもしれない。第2問は最後の作図の問題が圧倒的に今年度の難易度をあげた原因の一つと感じる。私個人の指導として作図問題は「完成図を予想してから考える」ということを徹底しているわけだが、本題に関してはそれだけでは足らず、図形的な経験に基づいた「ひらめき=直観力」が必要な問題と捉えている。ただし、なんとなく作図方法を一つひとつおっていって正解にまぐれ的に辿り着く受験生もいる可能性もはらむ問題でもある印象を受ける…。第3問の関数総合も例年と比べて難易度が上がった問題である。中学生の駅伝競走大会を題材とする「道のり・速さ・時間」の問題であるため、一見標準的?と思われるが、「時間」と「2人の選手の距離」の間の数量関係を問う関数になっていること。2校の選手が5区と6区でそれぞれ入れ替わり途中混在していること。そして、何よりもリード文が長いこと!!!これらすべてが受験生にとって「???」という印象をまず与えることになる、と思うと難易度が上がった印象をうけるのは想像に難くないと思われる。一方で第4問の図形総合問題は例年通りの標準的なレベルの問題であるため、結論から言うと、どの問題にどの程度の時間をかけて解いていくのか、などという戦略的な解き方を行うトレーニングが勝負の分かれ目になるような問題であったと捉えている。
【社会】難易度:例年通り
〈第1問、第2問〉世界地理、日本地理
〈第3問、第4問〉原始・古代~近世、近現代
〈第5問、第6問〉憲法・政治、公民総合
全体的にすべて例年通り。出題傾向としても地図やグラフ、表、写真などの資料をもとにした出題であるため、過去問等を練習してきた受験生にとっては特段慌てる感じの問題ではなかったと思われる。第1問世界地理、第2問日本地理においては、各地域の基礎的な特徴に関する用語等の知識が定着していれば解答できる。ただし!第2問の最後のグラフ、表の読取に関する出題は難しかったかと思う。「割合数値」」で考えていいのか「実際の数値」を求めて考えるべきか、あるいは「関東地方とは?」「静岡県と隣接する県は?」など、総合的な知識をフル稼働させながら正しい選択肢を選ぶという問題になっているので、このあたりの難易度が今後標準的になっていくのではないか、と捉えている。第3問、第4問の歴史分野は特段難しい問題は出題されていないのでは、と私は考える。第5問、第6問の公民分野も教科書に標準的な内容ではあるが、第5問が「法の支配」をテーマに『憲法』や『政治』を出題し、第6問でそれ以外の『経済』『国際』などの多領域を総合的に出題する、という形式がここ数年続いている。ただし、公民分野の用語は中3生にとっては多くは難しい語が多く、それでいて似たような語が多いようである、と感じている。例えば今回の解答にも使われた「請願権」とは別に「請求権」も学んでいる。あるいは「公的扶助」の中に「生活保護(制度)」などがある、なども同様である。したがって、設問がどの語を問いているのかという「読解力」が特に求められる分野でもある。
【理科】難易度:易化(または例年通り)
〈第1問、第2問〉生物領域。植物の分類、動物の血液、顕微鏡の使用法、遺伝に関する総合的な問題。
〈第3問、第4問〉地学領域。雲のでき方、太陽の黒点観察の問題。
〈第5問、第6問〉化学領域。物質の状態変化と密度、水溶液の中和の問題。
〈第7問、第8問〉物理領域。電磁誘導と光の性質(屈折・反射)の問題。
出題される順番や問題の配列などはほぼ例年通りである。大問ごとに出題される記述形式での解答を求める問題も典型的な出題が多い。受験生としては比較的とりくみやすい試験内容ではあったのではなかろうか。ただし!特徴的な進化があったこととして、選択問題において「一つ選びなさい。」だけではなく「すべて選びなさい」という複数回答の可能性がある出題形式が数問出されていたことが上げられる。これは、以前から全国的には主流であったが、ようやく本県もこの流れになったのではなかろうか、という印象を受けた。また、地学領域、化学領域、物理領域なとでは例年数問計算問題が出題されるが、今年は少なめであり、難易度の高い計算を求める問題は見られなかった。あえて言うならば、第5問の化学領域における「固体のロウの密度を求める」問題については、観察や実験を通して得られた数値を総合的に組み合わせて必要な値を導く必要がある、という点が難しかったのかもしれない。また、中和についての問題についても計算などの複雑な問題は見られないが、何について質問されているのか、ということをしっかりと考えてから解答をしないと、半端に感覚的な解答をすると誤ってしまう問題があった。
【英語】 難易度:やや難化?
〈第1問〉リスニング
〈第2問〉適語・適文補充、英文整序
〈第3問〉資料に関する対話文
〈第4問〉英語長文
〈第5問〉条件英作文
問題配列、及び文量や語数等は例年通り。第1問のリスニングは昨年同様に設問3において、内容を聞いて書き写すだけではなく文法的に適する形で複数の単語を入れる出題がなされた。リスニング問題全体としては、かつてのように聞こえてきた単語を何となくその場で暗記してそれらが解答になる、などという簡単な問題は少なくなり、音声から流れる英文の「内容」までをしっかりと聞き取り、その「内容」を理解した上で解答しないといけない読解力が求められる。第2問は例年通りの標準的な問題であり、整序問題も例年通りここで中学3年間でやや難しいと思われる文法を出題している。丁寧に解かなければならない出題パターンであるため、日ごろの学習姿勢が問われると考える。第3問の対話文は比較級等の基本文法をはじめとする英文の内容が正しく読み取れると、そんなに複雑な問題ではない。第4問の長文は1ページ目いっぱい書かれる英文を読み、その後内容読解及び英文完成などの問題が6問続く総合問題である。したがって第4問に辿り着くまでにどの程度の時間を残しているのか、またはどの程度時間をかけるか、というある種「訓練」がどの程度受験生たちになされてきたかがまず大切になる。その上で、本年の内容は英文自体は標準的な内容ではあるが、主人公のスピーチ内容に複数の人物が登場するため、主人公と登場人物との会話などの関わりを一つずつしっかりと整理していく事が必要となる。つまり、内容読解がどの程度素早く、的確にできたか、ということが分かれ目であると考える。そして、第5問は英問英答による英作文問題であるが、これもここ数年続く典型パターンである。英問自体は難易度は高くないので容易に質問の意図は捉えられたのではないか。反面、25語以上を使って作文しなければならないので、「文法的に」「正しい語で」(できる限り「論理的に」)質問に対する回答として作文をしていくことが求められる。今後もこのパターンは続くため、日常的に単語を正しいつづりで書くことと基本的な文法を確実に定着させること、この2点が最低限求められる。
【まとめ】
いや~、今年の入試は、とにかく新しいもの尽くしの1年でしたね、、、
・新入試制度「前期・後期制入試」
・WEB出願
そして、全体的には「例年通り」っぽい試験ではあったと印象を受けますが…
・新傾向な感じの入試になってるっぽい!
例えば、数学の関数総合における「1ページをまるまるぜいたくに使ったリード文」。その中に隠れている情報をしっかりと読み取り、グラフや式とリンクさせていく、、、
あるいは、理科における「すべて選びなさい」という出題形式。このパターンは選択肢すべてについて「〇か×か」を考えていかないといけないため、消去法で~というテクニックが使えなくなります!
あるいは、全科目通していえる「読解力」を根本的に求める出題形式。個人的には「これって数学?」「これって英語力?」と疑いたくなる問題もありますが、それはさておき「たくさん与えられる情報」から「正しい、的確な情報を得る」力が求められるテストに少しずつ変化している、と印象を受けました。
そうです、それって、、、つまり…
【大学入試】を意識した出題になってきた~~~…(;^_^A💦💦
でも、私は焦っていませんよ。なぜなら、こうなることは数年前から考えていたから!
私たちは準備をきちんとしております✋
今回の受験生たち、そして過去の先輩受験生たちにも秘かにその育成はしてきたつもりです。
その一つの証が今年度の高3受験生たちの実績かと( ̄ー ̄)ニヤリ
そして、これから受験生になる後輩たちもどうか安心してください。
今まで皆さんとともに学んできたこと、学ぶときにお話をしてきたこと、
すべては先ほどの話につながることばかりです💪
引き続き、皆さんとともに先を見通したゆるぎない学びを続けていきましょう😊
進学塾CORE-UP塾長 堺 真一